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「また働くのが怖い」「今の会社には戻りたくない」。休んでいても仕事のことが頭から離れず、次をどう考えればいいか分からなくなることがあります。そんな気持ちのまま、今とは違う働き方を考えても構いません。
会社が変われば、仕事量や人間関係、困ったときの相談のしやすさも変わります。今の職場でつらかったからといって、これからも同じ働き方しかないわけではありません。
この記事では、健康上の理由で休職している人に向けて、負担の少ない準備と、次の職場へ伝える条件を解説します。今すぐ応募や退職を決める必要はありません。体調を優先し、できるところから考えていきましょう。
今の会社がつらくても、働き方の選択肢は一つではない
休職している自分を責めたり、戻るのが怖い気持ちを無理に消したりしなくて大丈夫です。まずは「何がつらかったか」と「次はどう働きたいか」を分けると、少しずつ選択肢が見えてきます。
たとえば、仕事が一人に集中していたなら、分担や引き継ぎのある職場。長い残業が負担だったなら、実際の退社時刻を確かめられる求人。こうして会社ごとの違いを具体的に見ると、避けたい環境や、次の職場で確かめたい条件を整理できます。上司の暴言や無理な要求がつらさに関係している人は、上司の言動を記録するポイントと相談先も確認できます。自分だけでパワハラかどうかを決めてから相談する必要はありません。
治療や休養は大切にしながら、今の会社へ戻る以外の道も持っておきましょう。求人を眺めるだけで疲れる日は、準備を休んで構いません。
少し考えられそうな日にできる、小さな準備
以下は、考えられそうな日に選べる準備です。全部取り組む必要はありません。求人を見る、メモを一つ書く、人に話すなど、今の自分に合う小さな一歩で十分です。
- つらかったことと、次に変えたいことを一つ書く
- 気になる求人で、負担が減りそうかを考える
- 学ぶかどうかも、自分のペースで決める
- 転職エージェントへの相談
つらかったことと、次に変えたいことを一つ書く
立派なキャリアプランを作るところから始めなくても大丈夫です。「残業が続くとつらい」「相談できる人がほしい」など、負担だったことと次に変えたいことを一つずつメモしてみましょう。
仕事の経験も、大きな成果でなくて構いません。日々担当してきた業務や、人に頼られていたことが材料になります。もう少し整理したくなったら、経験と希望を分ける自己分析の記入例を使えます。

気になる求人で、負担が減りそうかを考える
調べるのは、気になる求人が見つかったときで十分です。まずは「この働き方なら、今より負担を減らせそうか」という目で見てみましょう。
- 仕事量や担当人数、引き継ぎの仕組み
- 普段と忙しい時期の勤務時間・残業
- 困ったときの相談相手、通院などの調整方法
求人票に書かれていないことは、面接や担当者への質問にできます。会社名や雰囲気だけで決めず、前の職場で負担だったことを繰り返さないための情報を集めましょう。
学ぶかどうかも、自分のペースで決める
休職期間を資格や成果で埋める必要はありません。学びたい気持ちと体調の余裕があるときに、短い講座や読書から試す程度でも十分です。負担になったら中断してください。
応募先には、これまで担当した仕事や、これから働くために必要な条件を伝えられます。休んでいた間に何かを達成していなくても、療養を大切にした時間として考えてよいのです。
転職エージェントへの相談
「今の会社には戻りたくないけれど、どんな仕事なら続けられるか分からない」。求人を探せる状態になり、そんな迷いを一人で整理しづらいときは、転職エージェントに相談する方法があります。仕事内容の確認や、応募先への条件の伝え方を手伝ってもらえます。
選ぶときは知名度だけでなく、休職中の相談に対応できるか、希望する職種・地域の求人があるか、こちらのペースを尊重してくれるかを聞いてみてください。「まず情報を知りたい」「応募を急ぎたくない」と伝えて構いません。
現職への連絡や、応募先へどの情報を共有するかも最初に確かめましょう。対応や相性が合わなければ、別の担当者や窓口を選べます。紹介の有無は求人や経験によって異なります。
医療や給付の判断はエージェントに任せず、主治医・加入先の健康保険に確認します。求人紹介が必要か、まず気持ちや働き方を整理したいかで迷う人は、転職の相談先と、相談前に整理することから選べます。
休職中に転職活動する前に確認すべきこと
実際に活動を始める前は、一人で制度を調べ尽くすより、内容に合う相手に確認しましょう。負担は主治医、会社のルールは就業規則や相談窓口、傷病手当金は加入先の健康保険が確認先です。
- 傷病手当金を受けている人の確認先
- 会社のルールは、分からないまま退職を決めない
傷病手当金を受けている人の確認先
傷病手当金は、業務外の病気やけがで療養し、仕事に就けないなどの要件を満たす場合の健康保険の給付です。仕事に就けない状態かどうかは、医師の意見だけでなく、仕事の内容も踏まえて判断されます。
受給中の人は、求人を調べる、面接へ行く、働き始めるといった予定を具体的にして、加入先の健康保険に給付への影響を確認してください。活動すれば一律に返還になる、医師に相談すれば必ず受給を続けられる、というものではありません。会社独自の休職中の給与・手当がある場合は、健康保険の給付とは分けて会社の規定を確認しましょう。
» 協会けんぽ:傷病手当金の支給要件
会社のルールは、分からないまま退職を決めない
休職中の連絡・報告、活動の制限、会社独自の給与や手当は、就業規則や休職制度で確認します。規定の意味や適用が分からないときは、会社の窓口や労働相談窓口へ相談できます。
活動のために先に退職を決める必要はありません。退職で生活や給付がどう変わるかも含め、確認してから判断しましょう。会社の規定に違反したとされても、どのような懲戒でも有効になるわけではありません。退職も選択肢に入れているなら、退職前後の書類と、保険・年金などの手続きを先に見ておくと、会社や窓口に聞くことを整理できます。

無理なく進めるために、気をつけたいこと
活動を進めるときは、次の点を押さえておくと、無理な約束や行き違いを避けやすくなります。今すべて解決するための宿題ではなく、必要になった場面で確認してください。
- 疲れたら、活動を休んでいい
- 情報の伝わり方に注意が必要
- 会社と話が合わないときは、外部にも相談できる
- 次の職場で続けられる条件を、急がず確かめる
疲れたら、活動を休んでいい
書類を作ることや面接で話すことが、思った以上に負担になる場合があります。活動する元気が出た日も、無理に予定を詰め込まなくて大丈夫です。求人を見る、面接へ行くといった具体的な活動と負担を、主治医に相談しましょう。
求人を見ることや面接を受けることと、入社後に働き続けることは、負担が異なります。活動の再開と就業の見通しを一緒に決めず、まずは治療・休養を優先してください。負担が大きいときは、準備を休むことも選択肢です。
情報の伝わり方に注意が必要
SNSの投稿や知人との会話などから、意図しない相手に活動が伝わることがあります。公開範囲を確認し、エージェントを利用する場合は、現職への連絡や情報共有の範囲を先に確認しましょう。
源泉徴収票の給与額だけで、休職の有無や理由、期間まで確定できるわけではありません。「3か月休むと必ず分かる」という基準もありません。傷病手当金の受給歴が、応募先へ自動的に伝わると決めつけないことも大切です。
一方で、入社できる時期や勤務上の配慮に関係することは、応募先と条件を確認するために伝える必要があります。病歴を一律にすべて開示するのではなく、何の確認に必要な質問かを確かめ、働き方に関わる事実を正確に説明しましょう。
会社と話が合わないときは、外部にも相談できる
休職中の連絡方法や報告のルールを確認し、予定する活動との関係を整理しましょう。会社の秘密を外部へ伝えないことも大切です。規定の適用や懲戒の説明に疑問がある場合は、総合労働相談コーナーなどで、規定と実際の行動を示して相談できます。
» 総合労働相談コーナーを探す
転職活動を会社への「裏切り」と決めつけたり、信頼関係が悪くなれば有給休暇や退職金が当然に失われると考えたりする必要はありません。有給休暇は付与・残日数・取得手続きを、退職金は制度の有無と支給規定をそれぞれ確認してください。給付の返還などを求められた場合も、何の制度について、どの理由によるものかを確認しましょう。
次の職場で続けられる条件を、急がず確かめる
「完治したか」だけで活動の可否を決めず、応募する仕事の内容・勤務時間・通勤の負担を踏まえて、主治医と就業の見通しを相談してください。治療や通院を続けながら働く場合は、必要な配慮を応募先と確認することが大切です。
休職経験があるだけで内定取消しが当然に認められるわけではありません。内定によって労働契約が成立している場合、取消しの有効性は理由や事情によって判断されます。不安な説明を受けたときは、理由を確認して労働相談窓口へ相談してください。
仕事をするうえで必要な条件を聞かれた際は、できることと未確認のことを分けて答えましょう。「通常勤務が可能」「配慮は不要」と、確認できていないことまで約束しないようにしてください。

休職の状況と働ける条件を、応募先にどう伝えるか
応募先には、今できることと必要な条件を具体的に伝えましょう。次の2点を整理すると、話す内容をまとめやすくなります。
- 働ける条件を具体的に伝える
- 休職理由と今後の希望を分けて伝える
働ける条件を具体的に伝える
主治医には、応募する仕事の内容、勤務時間、通勤、通院の予定を伝えて相談しましょう。具体的な働き方を共有すると、必要な配慮や無理のない勤務の範囲を考えやすくなります。
面接では、確認できている勤務の範囲と、応募先に相談したい条件を分けて説明します。たとえば、通院日や残業の制限など、仕事に関わる項目から整理してください。回復や再発防止の取り組みを話す場合も、実際に行っていることだけを伝えましょう。
休職理由と今後の希望を分けて伝える
職場環境が体調を崩した原因に関係している場合、それを無理に隠して前向きな話へ置き換える必要はありません。相手への評価や感情だけで話すより、どのような状況が負担だったかと、次の職場に求める条件を分けると伝えやすくなります。
療養を優先したこと、現在確認している働き方、今後の仕事で大切にしたいことを、自分の状況に合わせて説明しましょう。「次は相談しやすい体制で働きたい」など、つらかった経験から分かった希望も話の材料になります。応募先を選んだ理由も聞かれる場合は、転職理由と志望動機の分け方・書き方の例が参考になります。
応募先と状況や条件を確認したいケース
どの情報が必要かは、質問の目的や応募する仕事によって変わります。次のような場面では、伝える範囲と働き方の条件を確認しましょう。
- 面接で質問された場合
- リファレンスチェックがある場合
- 勤務上の配慮や入社日の相談が必要な場合
面接で質問された場合
面接時には以下の質問に対する回答を準備しましょう。
- 現在の在職・休職の状況
- 入社できる時期の見通し
- 業務や勤務時間に関わる条件
- 通院など、相談したい配慮
仕事に関わる質問には、確認できている事実を正確に答えましょう。病名や詳しい治療内容まで求められ、必要性が分からない場合は、確認の目的と情報の扱いを尋ねて構いません。診断書などを求められたときも、提出先と必要な内容を確かめてから主治医に相談してください。
リファレンスチェックがある場合
リファレンスチェックは、応募者の勤務実態や仕事ぶりを前職の関係者などに確認する調査です。調査の範囲は企業によって異なり、実施されれば休職の事実が必ず判明するとは限りません。
依頼されたら、誰に何を確認するのか、現職に連絡するのか、同意する情報の範囲を確認しましょう。病歴などの情報は特に慎重な取扱いが必要です。目的が分からないまま一括して了承せず、不明点を採用担当者に質問してください。
勤務上の配慮や入社日の相談が必要な場合
休職の長さだけを基準にせず、入社日、勤務時間、通院など、働く条件に影響することがあるかを整理しましょう。条件の調整が必要なら、入社直前まで待たず、応募先と確認する時間を取ることが大切です。
回復時期がまだ分からない場合は、現在の見通しと、次に確認できる時期を分けて説明します。入社日を急いで約束するより、主治医への相談や応募先との条件調整に必要な時間を取りましょう。
休職中であると応募先に伝える際の例文
休職中であることを応募先に伝える際のポイントは以下のとおりです。
- 履歴書・職務経歴書の記載方法
- 面接での伝え方
- 内定をもらった後の連絡方法
履歴書・職務経歴書の記載方法
応募書類の指定欄や、応募先から確認された内容に合わせて、必要な情報を簡潔に記載します。休職中も在籍しているなら、退職した経歴に変えないようにしてください。勤務条件の相談が必要な場合は、本人希望欄などで相談事項を示す方法があります。
記入例:入社時期と条件を相談したい場合
記入例:「現在、療養のため休職中です。入社可能時期と勤務条件について、選考時に相談させていただければ幸いです。」回復状態や条件が異なる場合は、自分の事実に合わせて書き換えてください。
職務経歴は、担当した仕事と実績を中心に書きます。休職前にどんな業務を任され、どのように進めていたかが伝わると、応募先も仕事との相性を考えやすくなります。勤務の見通しは、現在確認できている範囲で記載してください。担当した仕事や工夫を自己PRにまとめたい人は、日常業務を自己PRにする型と例文を使えます。
面接での伝え方
面接では、仕事に関わる現在の状況と、相談したい勤務条件を短く伝えます。回復したように見せることより、応募先の働き方と合うかを確かめることが大切です。
会話例:勤務の見通しを主治医と相談できている場合
たとえば、主治医と勤務の見通しを相談できている場合の例です。「体調を崩して休職しています。主治医とは勤務再開について相談しており、当面は残業を控える必要があると確認しています。募集職種の勤務時間と、残業の状況を教えていただけますか。」
これは架空の例です。まだ相談していないことや、医師から言われていない条件を、そのまま使わないでください。見通しが未確定なら「主治医に確認中です」と伝え、次に確認できる時期を相談しましょう。
内定をもらった後の連絡方法
内定後は、合意する入社日と勤務条件を確認します。例:「入社日は○月○日で調整したいと考えています。通院のための勤務調整について、担当の方と相談できますか。」日付や配慮事項は、自分の状況に合わせて伝えてください。
選考中から体調や見通しが変わった場合は、確認が必要な点を早めに連絡しましょう。主治医の意見だけをもとに、応募先へ「どんな業務でも通常勤務できる」と約束しないことが大切です。必要な提出書類や、情報を共有する相手も確認してください。
まとめ|今とは違う働き方を、少しずつ考えていい
休職中に「今の会社へ戻りたくない」「また働くのが怖い」と感じても、その気持ちを否定する必要はありません。会社によって仕事量や人間関係、相談体制は違います。今の職場だけが、これからの選択肢ではありません。
体調と療養を大切にしながら、負担だったこと、次に変えたいことを一つ考えるところから始めましょう。余裕が出てきたら、求人を見たり、ペースに合う相談相手を探したりする道があります。
今すぐ退職や入社を決めなくて大丈夫です。必要な勤務条件は応募先へ正確に伝え、給付を受けている人は加入先の健康保険に確認しながら、自分が続けられる働き方を選んでいきましょう。