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志望動機を書こうとしても、「御社の理念に共感し…」のような、どこかで見た文しか出てこない。正直に言えば、応募した理由は給料や休みだったりする。
僕は元人事責任者として中途採用に5年半携わり、応募書類を読み、面接で志望動機を聞く側にいました。
その立場から言うと、本音が給料でも問題ありません。僕自身、30代の転職では待遇を一番にしました。採用側が見ているのは、退職理由から志望動機までを、筋道立てて話せるかです。
この記事では、採用側が志望動機で見ていたことと、退職理由とつながる志望動機の型と例文、本音の言い換え方を紹介します。
結論、志望動機は、退職理由とつながっていて、応募先での仕事の範囲が具体的に見えていれば通ります。
退職理由・転職理由・志望動機を1本でつなぐ
面接で自己分析ができていると感じたのは、3つの理由に一貫性がある人でした。退職理由(今の会社を出る理由)・転職理由(次にしたいこと)・志望動機(その会社を選んだ理由)です。志望動機だけをきれいに書いても、退職理由とつながらなければ、話が途中で切れます。本音が給料でも休みでも、そこは変わりません。

きれいな志望動機より、退職理由から1本につながった志望動機が通ります。
元人事が見ていたのは、仕事の範囲が見えているか
志望動機も、ななめ読みされる
書類の志望動機は、ななめ読みしていました。ななめ読みでも目に留まるよう、求人票に出てくる仕事の言葉を、志望動機にも入れてください。
本気だと感じたのは、仕事の範囲が見えている人
「この人は本気だ」と感じたのは、会社の規模感から、入社後の仕事の範囲を具体的にイメージできている人でした。業務への想定の解像度が高い、ということです。
たとえば社員100人ほどの会社の経理なら、支払いから月次の締め、税理士とのやり取りまで、1人で広く担当しがちです。大きな会社なら、担当は決算の一部などに分かれます。「規模が小さいので、月次から決算まで幅広く担当できると考えています」と書ける人は、入社後の姿が見えている人です。
営業も、考え方は変わりません。社員100人ほどの会社では、新規の開拓から見積もり、契約後のフォローまで1人で受け持ちがちです。大きな会社なら、新規と既存のお客さんで担当が分かれます。
会社の基本情報を間違えると、それだけで印象が下がる
反対に印象が下がったのは、会社のWEBサイトの入り口付近で分かることさえ間違っている志望動機です。事業の内容や会社の規模を間違えると、調べていないことが一目で分かります。
書く前に、応募先のWEBサイトの「会社概要」のページで、事業の内容・社員数・拠点の3つは必ず確かめてください。拠点が複数あれば、経理なら拠点ごとの締め、営業なら担当するエリアまで、仕事の範囲が変わります。「理念に共感しました」だけの志望動機は、どの会社にも言える文になり、仕事の範囲も見えません。
志望動機の型と例文
志望動機は、次の4つの順で書きます。
志望動機の型
- 退職理由: 今の会社でできないこと(事実)
- 転職理由: 次の会社で何をしたいか
- 応募先を選んだ理由: 会社の規模や事業から見た、入社後の仕事の範囲
- 生かせる経験: その仕事に使える、今までの経験
退職理由がまだ言葉にならない人は、先に転職の自己分析は何から始める?で3つの理由をそろえてください。
経理の例
次の2つは、同じ人が同じ会社に応募する時の例です。
見送られる書き方
御社の「挑戦を大切にする」という理念に共感し、志望しました。これまでの経験を生かして、御社の発展に貢献したいと考えています。
通る書き方
今の会社では経理を1人で担当し、手順表を作って月次の締めを2日早めました。ただ、1人の体制では、その手順を引き継ぐ相手がいません。次は、チームで経理の体制をつくる仕事がしたいと考えています。社員100人ほどで経理の増員を募集している御社なら、締めの手順づくりから関われると考え、志望しました。手順表で締めを早めた経験を、御社の体制づくりに生かします。
2つ目は、最初の2文が退職理由、3文目が転職理由、4文目が応募先を選んだ理由、最後が生かせる経験です。退職理由から志望動機までが1本でつながり、入社後の仕事の範囲まで見えています。1つ目は、どの会社にも出せる文です。
短い欄では、仕事の範囲と経験を残す
履歴書の欄が短いなら、退職理由は面接に回します。残すのは、応募先を選んだ理由(仕事の範囲)と、生かせる経験の2つです。
未経験の職種に応募する時は、今の仕事の中から、応募先の仕事と共通する作業を選んで書きます。選び方は、転職の自己PRの書き方でも紹介しています。
本音が給料や休みでも、こう書けば通る
本当の動機が給料や休みでも、僕は気にしませんでした。僕自身も、待遇を一番にして転職したからです。
ただし、志望動機に「給料が高いから」とだけ書くのはやめてください。採用側が見ているのは、退職理由から志望動機までを論理的に話せるかです。給料のことは書かず、担当してきた仕事の事実を書きます。面接官は、そこから「今の会社では見合った扱いを受けていない」と読み取ります。
本音が給料の人の言い換え例
×「御社は給料が高いので志望しました」
○「今の会社では、3年で担当が支払いから月次の締め、決算の準備まで広がりましたが、肩書きと役割は入社時のままです。社員100人ほどの御社なら、決算まで任される経理として、広げてきた担当を生かせると考え、志望しました」
休みや残業も同じです。面接で休みや残業を聞かれても、僕は悪い印象を持ちませんでした。条件は、志望動機に書かず、面接の質問の時間に確かめれば十分です。
退職理由が会社への不満でも、「評価されなかった」と自分から言う必要はありません。面接で通る人は、仕事の中身を話していました。伝え方は、頑張っても評価されない時の抜け出し方で書いています。
面接では、仕事の範囲まで自分の言葉で話す
面接では、書類の志望動機をもとに深掘りされます。暗記した文を読むより、入社後の仕事の範囲を自分の言葉で話せる方が伝わります。
「他の会社でもいいのでは?」と聞く面接官もいます。僕はこの質問をしませんでした。意地悪な質問だと思うからです。もし聞かれたら、会社の規模や事業から見た仕事の範囲を答えてください。「御社の規模だから担当できる範囲」は、他の会社では言えない理由になります。面接の準備全体は、面接対策の記事にまとめています。
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まとめ|本音は給料でいい。退職理由とつなげる
志望動機で見られているのは、退職理由からの筋道と、入社後の仕事の範囲です。
- 退職理由・転職理由・志望動機を1本でつなぐ
- 会社の規模から、入社後の仕事の範囲を具体的に書く
- WEBサイトで分かる基本情報は、必ず確かめる
- 本音が給料や休みなら、退職理由の事実として伝える
まずは応募先のWEBサイトで、事業の内容・社員数・拠点を確かめてから書き始めてください。