職務経歴書の正しい書き方｜採用担当者に響くポイントを解説

転職活動では職務経歴書の作成が大きな壁となります。職務経歴書は、キャリアを効果的にアピールする重要なツールです。この記事では、職務経歴書の書き方について、準備段階から実際の作成方法、職種別のポイントなどを詳しく解説します。記事を読めば、面接官の心に響く職務経歴書を作成できます。

職務経歴書を書く前に準備すること

職務経歴書を書く前に、以下の準備が大切です。

それぞれを理解して、説得力のある職務経歴書を作成しましょう。

キャリアを棚卸しする

キャリアの棚卸しは、職業人生を振り返る重要なステップです。過去の職歴を時系列で整理し、各職場での役割や業務内容、成果をリストアップしましょう。単に事実を並べるのではなく、各経験から学んだ内容や成長したポイントも考えるのがおすすめです。自分の価値観や興味の変化を把握できるためです。

自己分析の他に、上司や同僚からのフィードバックも参考にすると、より客観的な自己評価ができます。強みを視覚化するには、ポートフォリオや実績の整理が有効です。自分の職業人生を深く理解でき、今後のキャリアプランを立てる基礎になります。

応募先の募集要項を理解する

職務経歴書を書く前に、応募先の募集要項を理解しましょう。募集要項には、企業が求める人材像や必要なスキル、職務内容など、応募の判断材料となる大切な情報が含まれています。募集要項だけではわからない部分があるため、企業説明会や面接の活用がおすすめです。

【項目別】職務経歴書の書き方

職務経歴書には、以下の記入項目があります。

上記の項目を一つひとつ丁寧に記入し、自分の強みをわかりやすく伝えましょう。

日付・氏名

職務経歴書の右上または左上に、日付と氏名を記入します。日付は西暦で作成日か提出日を書きます。氏名は漢字で記載し、ふりがなをつけてください。採用担当者と連絡を取れるように、住所や電話番号、メールアドレスも正確に記載します。

職務要約

職務要約では、経歴やスキル、実績を3～5行程度で簡潔にまとめます。応募先企業が求める人材像に合致する点を強調し、自己PRや志望動機を含めてください。箇条書きではなく文章形式で記述し、具体的な数字や成果を盛り込むとより印象付けられます。
» 志望動機の書き方と具体例｜効果的にブラッシュアップしよう！

職務経歴

各職歴について、会社名や在籍期間、役職を明確に記載します。以下を参考に、主な業務内容や担当プロジェクトを箇条書きで記載してください。

業務で身に付けたスキルや知識を強調し、職務内容の変更や昇進があった場合は、漏れなく記載します。責任の大きさを示すために、部下の人数や予算規模なども含めましょう。会社の概要(業界や企業規模)を簡潔に説明すると、経験の価値がより伝わります。

職歴は時系列順に、最新の経歴から記載します。転職の理由や退職理由の記載は不要です。採用担当者の目に留まりやすくするため、応募先の求める経験や実績に関連する内容を重点的に記載してください。

活かせるスキルや知識、資格

応募先企業に自分の価値を伝えるには、実際に活かせるスキルや知識、資格が重要です。業界に関する知識や特許、受賞歴などもアピールポイントです。副業と趣味で培った仕事に活かせるスキルがあれば、漏れなく記載しましょう。

これまでの経験を通じて培った問題解決能力やコミュニケーション能力など、業種を問わず活かせるスキルも積極的にアピールすると効果的です。

自己PR

自己PRは、強みや特徴をアピールする部分です。内容は3～5点に絞って、応募先企業の求める人材像に合わせて簡潔に説明するのがおすすめです。具体的な実績や成果を数字で示すと、より説得力が増します。自己PRの内容と職務経歴の整合性に注意し、謙虚さを意識すると好印象を与えられます。

今後のキャリアプランや目標を明確に述べれば、将来性のアピールが可能です。あまり大げさな目標は避け、現実的で具体的な目標を示すのがポイントです。価値観や仕事に対する姿勢を表現して、人柄と仕事への取り組み方をアピールしましょう。
» 自己PRの書き方を解説！強みを活かす差別化のコツと具体例

【職種別】職務経歴書の書き方

職務経歴書は職種によって重視するポイントが異なります。応募先企業のニーズに合わせた内容にすると、採用担当者の目に留まりやすくなります。代表的な職種別の職務経歴書のポイントを以下にまとめたので、参考にしてください。

ITエンジニア系

ITエンジニア系の職務経歴書では、具体的な技術力と実績のアピールが転職成功の鍵です。得意なプログラミング言語や技術スタック、ツールを記載します。アジャイル開発やスクラムなどの開発手法の経験があれば、積極的に盛り込みましょう。実際に上げた成果を具体的に示すのが大切です。

営業系

営業系では、営業力と成果を明確に伝えるために、営業実績や成功事例を記載します。「前年比120%の売上を達成」や「新規顧客を50社開拓」などの具体的な数字を用いて、実力を客観的に示しましょう。チームマネジメントや後輩育成の経験があれば、忘れずに記載してください。

事務系

事務系の職務経歴書では、正確性と効率性を重視したスキルのアピールが大切です。応募先が求める人材像とマッチするかどうかの判断を容易にするため、以下を参考に業務内容を簡潔に記載してください。

使用したソフトウェアやシステムを具体的に記載すると、即戦力としての価値をアピールできます。SAPや勤怠管理システムなど、業務特有のシステムの使用経験があれば、ぜひ記載してください。業務改善や効率化の実績に関しては、具体的な数字を記載すると印象的です。

多岐にわたる業務への柔軟性や適応力も、事務職には重要な能力です。日商簿記検定やMOS(Microsoft Office Specialist)などの資格は、スキルを客観的に示せます。事務職は多くの情報を扱う立場なので、情報管理に対する資格と意識は大きな強みです。

マーケティング・企画系

マーケティング・企画系の職務経歴書では、戦略立案から実行までの一連の流れを示すのが重要です。成果を数字で表現するだけでなく、事例を交えて説明しましょう。具体的には、マーケティング戦略の立案と経験、データ分析スキルや具体的な成果などです。

クリエイティブ制作のディレクション経験や、デジタルマーケティングツールの使用経験も評価されます。新規事業や商品企画の実績、クロスファンクショナルなチーム連携経験があると、より魅力的です。応募先企業の業務内容に合わせてアピールしましょう。

医療・福祉系

医療・福祉系の職務経歴書は、専門性と人間性の両方が重要です。患者さんや利用者さんへの思いやりと、高度な専門知識や技術を持ち合わせている点をアピールします。資格や専門研修の受講歴、チーム医療や多職種連携の経験も記載しましょう。

地域連携や退院支援の経験は、医療・福祉の現場で重要視されています。

建築・土木系

建築・土木系の職務経歴書は、プロジェクトの規模や種類、スキルと資格が重視されます。携わったプロジェクトの詳細を記載し、設計や施工管理の経験を具体的に説明しましょう。使用したCADソフトや技術を明記し、取得済みの免許があれば記載します。安全管理や品質管理の実績を示すのも大切です。

環境配慮型建築や最新のICT技術の活用経験は、大きなアピールポイントになります。担当したプロジェクトの規模や予算、工期などを具体的に記載して、より説得力のある職務経歴書にしましょう。

クリエイティブ系

クリエイティブ系の職務経歴書では、創造性と実績が重要です。具体的な作品や実績を示せると、採用担当者に好印象を与えられます。ポートフォリオのURLを記載し、代表作品を紹介するのが理想的です。デザイナーやイラストレーター、ライターなどの実績や作品を具体的に記載します。

使用ソフトウェアやツールの熟練度も明記してください。代表的なものには、AdobeCreativeSuiteやFigma、WordPressがあります。クリエイティブな思考力や問題解決能力もアピールしましょう。プロジェクトでの成果と独自のアプローチを説明すれば、創造性を示せます。

常に新しい知識やスキルを吸収する姿勢は、クリエイティブ業界で高く評価されます。チームワークやコミュニケーション能力も重要な要素のため、チームでの活動経験も記載しましょう。

選考通過する職務経歴書の書き方

選考を通過しやすい職務経歴書の書き方は、以下のとおりです。

すべての要素を組み合わせると、面接の機会が得られやすくなります。
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読みやすいレイアウトにする

採用担当者に良い印象を与え、職務経歴書が注目される可能性を高めるためには、読みやすいレイアウトにします。適切な文字サイズと行間、見出しや箇条書きが重要です。余白を十分に取り、文字を詰め込みすぎない配慮をしましょう。文字色と背景色のコントラストは、読みやすさを重視して選んでください。

フォントとスタイルを統一し、大事な情報にはボールドや下線を適度に使用します。表やグラフを挿入すると視覚効果を高められ、採用担当者が読みやすくなります。表やグラフは、レイアウトが崩れにくいPDF形式がおすすめです。1ページに収まる情報を簡潔にまとめ、段落や項目ごとに適切な間隔を設けてください。

具体的な数字や具体例を使う

具体的な数字や具体例を使うと、職務経歴書の説得力を上げられます。「売上を増加させた」と書くよりも「前年比20%の売上増加を達成した」と書く方が、貢献度がより明確になります。業務効率化や顧客満足度向上、営業活動の規模なども数字で表すと効果的です。

数字の誇張や、虚偽の情報は記入を避けましょう。正確で信頼できる情報提供が大切です。

応募先に合わせてアピールする

応募先に合わせたアピールは、選考通過の可能性を高める効果があります。応募先の企業や業界について十分に調査し、スキルや経験をアピールしましょう。募集要項を細かく分析し、求められるスキルや経験を把握すると、自分の強みと応募先のニーズをマッチングできます。

応募先独自の取り組みや特徴に関心があれば、企業研究の熱心さもアピールできるのでおすすめです。

職務経歴書の書き方に関するよくある質問

職務経歴書の作成に関するよくある疑問と回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。

手書きとパソコンのどちらがいい？

職務経歴書はパソコンでの作成がおすすめです。見やすく整った文書を簡単に作れるだけでなく、修正や複数バージョンの作成も容易にできます。手書きには、読みにくさやミスのリスクがあるため、特に指定がなければパソコン作成の方が無難です。パソコンでの作成には以下のメリットがあります。

ただし、署名欄は手書きが理想です。署名以外はパソコンで作成し、最後に署名を手書きしましょう。

短期間の職歴も書いたほうがいい？

原則として、短期間の職歴も記載しましょう。空白期間を作らないようにすると、採用担当者に誠実な印象を与え、キャリアの全体像を正確に伝えられます。短期間でも重要な経験や成果があれば、積極的にアピールしましょう。複数の短期職歴をまとめて記載し、短期間で退職した理由を簡潔に説明します。

ただし、3か月未満の職歴については状況に応じて省略します。記載方法に迷う場合は、信頼できる人に相談するのもおすすめです。

まとめ

職務経歴書は転職活動において重要な書類です。自己分析と市場分析を徹底的に行い、応募先の要件に合わせて内容をカスタマイズしましょう。具体的な実績や数字を盛り込み、読みやすいレイアウトと簡潔な文章を心がけます。

丁寧に職務経歴書を作成すると、転職活動の成功率を高められます。
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