ボーナスをもらって円満に退職する方法|元人事が教える、伝える時期と退職日の決め方

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ボーナスをもらって円満に退職する方法|元人事が教える、伝える時期と退職日の決め方

冬のボーナスをもらってから辞めたい。でも、先に言えば減らされそうだし、もらってすぐ辞めるのも気まずい。

実は、評価の期間を最後まで働いても、支給日の前に辞めると、ボーナスが1円も出ないことがあります。就業規則で「支給日に在籍している人に払う」と決めている会社は、珍しくないからです。

僕は元人事責任者として、社員全員の評価の最終調整に関わり、退職を伝えられる側にもいました。

この記事では、就業規則で確かめる4つの点と、伝える時期、退職日と入社日の決め方を、冬のボーナスの例で説明します。読み終えるころには、自分の会社の支給日から、伝える日と辞める日をカレンダーに書き込めます。

結論、退職日は支給日より後に置き、伝えるのは支給日のあとにしてください。次の会社は、支給日の前から探し始めます。この順番なら、ボーナスと円満な退職を両立できます。

結論|「確かめる→探す→もらう→伝える」の順

ボーナスをもらって円満に辞める手順は、4つです。

  1. 就業規則と賃金規程で、支給の条件を確かめる
  2. 支給日の前に転職活動を始め、次の会社と入社日を決める
  3. 退職日を支給日より後に置き、ボーナスを受け取る
  4. 支給日のあとに、直属の上司へ退職を伝える

冬のボーナスが12月10日に出る会社なら、9月ごろに転職活動を始め、支給日までに内定と入社日を決めておきます。支給日からあとの流れは、次のとおりです。

冬のボーナスが12月10日に出る場合、12月11日に伝え、1月中旬まで引き継ぎ、残りを有給にあてて1月31日に退職し、2月1日に入社する流れの図

12月11日に伝えて、1月中旬まで引き継ぎ、残りの日を有給にあてます。有給を使っている間も、退職日までは会社に在籍しています。2月1日に次の会社へ入れば、収入も途切れません。

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ボーナスの直後に辞める人は、人事から見ても想定内。後ろめたく思わなくて大丈夫です。

就業規則で確かめる4つ|在籍・支給日・期間・減額

最初にやるのは、就業規則と賃金規程を読むことです。賃金規程は、給与やボーナスの決まりを書いた社内の規則です。ボーナスの条件は、法律ではなく、会社ごとの規程で決まります。

支給日に在籍していないと、1円も出ないことがある

ボーナスを払うことは、法律上の義務ではありません。会社が就業規則などで支給の条件を決めて、初めて払う義務が生まれます。

その条件でよくあるのが、「支給日に在籍している人に支給する」という決まりです。最高裁も1982年に、この決まりを有効と判断しました。

この決まりがある会社では、自分から辞めて支給日に在籍していなければ、評価の期間に全部働いていても、もらえません。11月末に辞めて12月10日の支給日を迎えると、そうなります。

確かめるのは、次の4つです。

確かめること規程の書き方の例
支給日に在籍している必要があるか支給日に在籍する者に支給する
支給日は何日か12月10日に支給する
評価の対象になる期間4月1日から9月30日までの勤務について
減らす条件があるか算定期間の途中で入社した者は減額する

評価の対象になる期間は、算定期間とも呼ばれます。ボーナスの額を決めるのは、この期間の働きぶりです。

就業規則は、社員がいつでも見られるようにしておくことが、法律で会社に義務づけられています。社内のポータルや共有フォルダを探してください。人事に聞くと辞める気配が伝わりそうなら、自分で読めば十分です。

「減らす条件」の項目まで読む

規程には、支給の条件とあわせて、減らす条件が書いてあることがあります。僕のいた会社にも、在籍日によってボーナスを減らす規定がありました。

算定期間の途中で入った人や、休んだ日が多い人を減らす、という書き方がよくあります。支給日の在籍だけ見て安心せず、減らす条件まで読んでください。

年俸制の人は

年俸にボーナスが含まれているかを、契約書か賃金規程で確かめます。年俸の一部を「賞与」の名前で後からまとめて払う形なら、支給日の前に辞めても、働いた期間の分を払う義務が会社に生じることがあります。年俸とは別に、業績で額が変わるボーナスがある場合は、その支給条件を読みます。

有給を使っている間も、退職日までは在籍している

有給の消化中に支給日が来ても、退職日が支給日より後なら、支給日に在籍しています。大事なのは最終出社日ではなく、退職日です。

また、有給を取ったことを理由にボーナスを減らすことは、労働基準法で「しないようにしなければならない」とされています。有給を残したまま我慢する必要はありません。

伝えるのは支給日のあと|元人事が見た会社の本音

支給の前に伝えると、減らされることがある

ボーナスには、これまでの働きへの支払いと、これからの働きへの期待の両方が入っています。辞めると分かった人の「期待」の分を減らす会社もあります。

裁判では、辞める予定の人に通常の約17%しか払わない規定は、認められませんでした。ただし、通常の約8割は払うべきとされ、辞めると分かった人のボーナスを約2割減らすことは、裁判で認められました。

つまり、支給の前に伝えると、ある程度減らされても仕方がないと判断されることがあります。伝えるのは、支給日のあとが安全です。

支給の直後に辞める人は、人事にとって想定内

ボーナスの直後に退職を申し出る人は、僕のいた会社にもそれなりにいました。人事から見れば当然のことで、想定内です。ボーナスは、算定期間の働きに対して払うものだからです。

引き止めも、僕は基本的にしませんでした。辞めると決めた人は、引き止めても一時的で、結局辞めることが多いからです。「もらってすぐ辞めるなんて」と思われる心配より、伝え方と引き継ぎに気を配ってください。

助かったのは、組織図を考え直す前に言ってもらえた時

会社側として助かったのは、組織図を考え直すタイミングの前に言ってもらえた時です。困ったのは、大きなプロジェクトの最中に言われた時でした。

4月に組織を変える会社なら、冬のボーナスの直後に伝えると、後任を含めた体制を考える時間を会社に渡せます。内定が出ていれば、もらったらすぐに伝える。これが、ボーナスと円満を両立するコツです。

のぼる
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「辞めます」は相談ではなく、決めたことの報告として伝えると、話がこじれません。

退職日は、引き継ぎと有給から逆算する

申し出の期限は、就業規則に合わせる

民法では、正社員のように期間の定めのない雇用なら、申し出から2週間で辞められます。ただ、多くの会社は就業規則で「1か月前まで」などと決めています。

円満に辞めたいなら、就業規則の期限を守ってください。12月11日に伝えるなら、1か月前の決まりでも、1月中旬以降を退職日にできます。

有給は、引き継ぎを終えてから使う

残っている有給は、使って大丈夫です。会社は取る時期をずらすよう頼めますが、退職日より後にはずらせません。

正直に言うと、伝えた直後から有給を全部使われるのは、会社側としては困りました。引き継ぎが終わらないまま、仕事が止まるからです。先に引き継ぎを終え、残りの日を有給にあてると、気持ちよく送り出してもらえます。

引き継ぎの進め方や、退職届の書き方は、退職手続きの流れと期限にまとめました。

受け取ったボーナスを「返して」と言われたら

支給日に在籍して受け取ったあとで、「辞めるなら返して」と言われることがまれにあります。その場で応じずに、規程のどこに書いてあるかを確かめてください。

労働基準法16条は、辞めたら違約金を払うといった約束を禁じています。話がこじれたら、労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談します。労働条件の相談を、無料で受け付けている国の窓口です。

支給前に転職活動を始め、入社日を調整する

ボーナスをもらって辞めるなら、次の会社は支給日の前に決めておくのが理想です。求人探しから内定までは3か月ほど見ておくので、12月10日に支給なら、9月に始めるのが目安です。

今が10月や11月で、まだ探していなくても、間に合わせる方法があります。支給日までに内定が出なければ、ボーナスを受け取ったあとも在籍したまま探し、伝えるのは内定が出てからにします。退職を伝えてから探し始めると、収入が途切れる期間ができるからです。働きながら進めるコツは、働きながらの転職活動にまとめました。

「ボーナスのあとに入社したい」は、1か月なら待てる

内定が出たら、次は入社日です。支給日が近いなら、入社を少し待ってもらう相談もできます。

採用側にいた僕の感覚では、ポストにもよりますが、会社が考えていた入社日から1か月遅れるくらいなら待てます。2か月以上遅れると不利に働く、というのが本音です。採用側は、空いた席を早く埋めたくて募集しています。

待ってもらうのが2か月を超えるなら、ボーナスより内定を優先した方が安全です。

入社日の調整は、転職エージェントに任せる

「ボーナスまで待ってほしい」とは、自分からは言いにくいものです。転職エージェントを使えば、担当者が企業の事情を聞きながら、入社日を調整してくれます。

僕は採用側で、リクルートエージェントから応募者の紹介を受けていました。リクルートの企業担当は、こちらの会社のことを非常に熱心に聞いてきました。企業の事情をつかんでいる担当者なら、どこまで待ってもらえるかの相談もしやすくなります。

僕自身も、20代後半に転職すべきか迷って登録しました。電話の面談で悩みを親身に聞いてもらい、希望に合う大手や大手の子会社の求人を紹介されました。年代や職種を問わず、幅広い求人を扱う大手です。支給日の前に求人を見ておくだけでも、退職日を決めやすくなります。

登録は無料・面談の事前準備は不要・土日も相談できる

ほかの転職エージェントと比べて選びたい人は、選び方の記事を読んでください。

次の会社の最初のボーナスは、在籍した月数で減ることが多い

僕のいた会社では、中途で入った人の最初のボーナスは、在籍した月数で減らしていました。算定期間の途中から入ると、その分だけ少なくなります。

転職した年は、今の会社のボーナスを取っても、次の会社の最初のボーナスが減ります。ボーナス1回分の損得だけで、転職の時期を決めないでください。

ボーナスを待たずに辞めていい場合

次のどれかに当てはまるなら、ボーナスを待たなくて構いません。

  • 次の会社に早く入る方が、年収が大きく上がる
  • 内定先が入社を待てず、どうしても行きたいポストである
  • 体や心が限界で、支給日まで持ちそうにない

僕自身、30代の転職では、ボーナスの時期を考えませんでした。それ以上に、待遇が良くなったからです。見るべきなのは、ボーナス1回分より、次の会社で何年も受け取る年収です。

まとめ|支給日を確かめて、もらってから伝える

ボーナスをもらって円満に辞めるには、順番を守るだけで十分です。

  • 就業規則と賃金規程で、支給日の在籍・支給日・算定期間・減らす条件を確かめる
  • 退職日は支給日より後に置く。有給の消化中も、退職日までは在籍している
  • 伝えるのは支給日のあと。内定が出ていれば、なるべく早く。直後に辞める人は、人事にとって想定内
  • 引き継ぎを終えてから有給を使う
  • 転職活動は支給日の前に始め、入社を待ってもらうのは1か月くらいまでにする

次の会社をまだ探していないなら、支給日の前に求人を見ることから始めてください。

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