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転職を考え始めて、まず自己分析をしようと思った。でも、自己分析シートを開いても手が止まる。強みも、やりたいことも、はっきりしない。
僕は元人事責任者として中途採用に5年半携わり、面接で多くの応募者と話してきました。部下35人の評価もしてきました。
面接で自己分析ができていると感じたのは、退職理由・転職理由・志望動機が1本につながっている人でした。この記事では、そのつなげ方と、部下35人の評価で分かった「本人は普通だと思っている強み」5つを紹介します。シートの前で止まっている人も、今日から書き出せます。
結論、自己分析は、大変だった仕事の場面を3つと、譲れない条件(転職の軸)を1つ決めれば十分です。シートの項目を全部埋める必要はありません。
結論|自己分析は場面と条件を決める作業
転職の自己分析は、自分を深く知るための作業ではありません。応募書類と面接で話す材料を、そろえるための作業です。
そろえる材料は、2つだけです。
- 場面: 大変だった仕事と、そこで自分がした工夫
- 譲れない条件: 転職で一番変えたいこと
「強みがない」と悩む必要もありません。採用側から見ても、強みがある人は多くありません。大事なのは、本人が普通だと思っていることを、どれだけうまく伝えるかです。その例は、手順1で5つ紹介します。
できている人は、退職理由から志望動機までつながる
面接で自己分析ができていると感じたのは、退職理由・転職理由・志望動機の3つに一貫性がある人でした。
| 聞かれること | 一貫している人の答え(例) |
|---|---|
| 退職理由 | 締めの手順表を作ったが、担当が1人の体制は変えられなかった |
| 転職理由 | 体制づくりから関われる経理として働きたい |
| 志望動機 | 経理の体制を整えている御社で、手順表を作った経験を生かしたい |
ばらばらな人は、退職理由は人間関係、転職理由は年収、志望動機は理念への共感、と3つがつながりません。
正直に言うと、自分が何をしたいか、本当に分かっている応募者は多くありません。それでも面接では、筋の通った話ができることが大事です。自己分析は、その筋を作るためにやります。
手順1|大変だった仕事を3つ書き出す
まず、ここ1〜2年で大変だった仕事を3つ書き出します。それぞれ、何が大変だったかと、自分がした工夫を1行ずつ添えてください。
書き出しの例
大変だったこと: 月末の締めが私1人に集中し、毎月残業が続いた
工夫: 締めの前の確認を前倒しする手順表を作り、営業にも協力を頼んだ
僕が採りたいと思ったのは、苦労した経験があり、それを乗り越えた人でした。大変だった場面には、その人の工夫と粘りが出ます。
部下35人を評価してきて、本人は普通だと思っているのに、評価する側から見ると強みだったものがあります。
- 言われたことを、まじめにこなせる
- 仕事を前向きに引き受けられる
- 自分から案を出せる
- 会議で発言できる
- 上司の意見に、自分の意見も言える

本人には当たり前でも、評価する側から見ると、どれも立派な強みです。
書き出した場面に、この5つのどれかが入っていないか見てください。入っていれば、それがあなたの強みの言葉になります。上の例の「手順表を作り、営業にも協力を頼んだ」なら、「自分から案を出せる」に当たります。
自己分析シートや適性診断を使ってもかまいません。ただし、使うのは場面を思い出すきっかけとしてです。面接で話す材料は、診断の結果ではなく、あなたが実際に動いた場面です。
場面を自己PRにまとめる方法は、転職の自己PRの書き方で紹介しています。
手順2|譲れない条件を1つだけ決める
年収・休み・仕事の中身・働く場所など、条件はいくつも浮かびます。一番を1つ決めて、ほかはあきらめる覚悟をしてください。全部を満たす会社を探すと、応募できる会社がなくなります。
僕自身、30代の転職では、職種より待遇を一番にしました。そのかわり、若い会社のような、挑戦しやすい環境はあきらめました。一番を決めると、あきらめるものもはっきりします。あきらめるものまで書いておくと、求人を選ぶ時に迷いません。
書き出しの例
一番: 年収
あきらめるもの: 通勤が30分延びる
休みと給料で迷うなら、体と状況が許す限り、僕は給料を一番にします。両方そろう会社もあるので、一番を決めても、二番を必ず捨てるわけではありません。休みの多さの見方は、年間休日105日はきつい?にまとめています。
手順3|転職理由と志望動機につなげる
手順1の場面と、手順2の条件がそろえば、退職理由から志望動機までが1本の線になります。
- 退職理由: 今の会社では、一番の条件を満たせない事実
- 転職理由: その条件を満たすために、何を変えたいか
- 志望動機: 応募先なら、手順1の経験を生かして条件を満たせる理由
一番が年収の人も、「年収を上げたい」を志望動機にはしないでください。手順1の場面を話し、「その経験を生かして、任される範囲を広げたい」とつなげます。年収の希望は、条件を聞かれた時に伝えれば十分です。
退職理由が会社への不満でも、そのまま言わないでください。面接で通る人は、「評価されなかった」と自分からは言いません。仕事の中身を話して、面接官に「この人は評価されていないな」と気づかせます。詳しくは頑張っても評価されない時の抜け出し方で書いています。志望動機は、転職の志望動機の書き方を参考にしてください。
一人で進まない時は、相談しながら整理する
場面は書けても、何を一番にしたいかが決まらない人もいます。僕も30代の転職で待遇を一番に決めた時は、一人では決めず、条件面は家族に相談しました。一人で考え続けるより、人に話した方が、何を一番にしたいかが早く見えます。
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まとめ|場面3つと条件1つで、自己分析は終わり
自己分析は、面接で話す材料をそろえる作業です。
- 大変だった仕事を3つ、工夫と一緒に書き出す
- 譲れない条件(転職の軸)を1つ決め、あきらめるものも決める
- 退職理由・転職理由・志望動機を、1本の線でつなぐ
まずは今日、大変だった仕事を3つと、譲れない条件を1つ、紙に書き出してください。条件の一番がどうしても決まらない人は、ポジウィルキャリアの初回体験(無料)で相談できます。